カテゴリ: トラブル回避

底地を所有していると、長期にわたる借地関係の中でさまざまなトラブルが発生することがあります。
それらは「借地人との関係性の悪化」や「契約内容の認識違い」が原因であることが多く、放置してしまうと裁判に発展することも少なくありません。
ここでは、底地オーナーが知っておくべき代表的なトラブル例と、発生時の初期対応のポイントを解説します。
よくある底地トラブルの例
底地に関するトラブルは、多くが以下のような形で現れます。
- 地代の未払い・滞納
経済的な理由や、地代の妥当性に対する借地人側の不満が原因となるケースが多いです。
放置すると長期滞納となり、契約解除や明け渡し請求に発展することもあります。 - 無断増改築・建替え
借地上の建物を借地人が勝手に改築・建替えするケース。
承諾料が発生する行為であり、放置すると権利関係が複雑化します。 - 譲渡・転貸に関する問題
借地権の譲渡や転貸は原則としてオーナーの承諾が必要。
無断で行われた場合、契約違反として扱うことができます。 - 更新料・承諾料の支払いトラブル
金額や支払い義務をめぐって対立するケース。
特に古い契約では取り決めが曖昧なことが多く、話し合いが難航します。
トラブル発生時の初期対応ポイント
トラブルが起きた場合、感情的に対応すると関係が悪化するため、次の3ステップを意識しましょう。
① 事実関係の整理
契約書、領収書、過去の交渉記録などを整理し、どの時点で問題が発生したのかを明確にします。
借地契約書の有無・内容が非常に重要です。
② 記録を残す
口頭でのやり取りではなく、書面やメールなど、証拠が残る形でやり取りを行います。
将来的に交渉や法的手続きになった際の根拠になります。
③ 専門家への早期相談
底地・借地に詳しい弁護士や不動産コンサルタントに早めに相談することで、トラブルの拡大を防ぎ、円満解決の方向性を見出すことができます。
予防のための心がけ
トラブルの多くは、「契約内容が不明確」「借地人との意思疎通不足」が原因です。
定期的な契約書見直しや、借地人への説明・確認を怠らないことで、“防げるトラブル”は格段に減らせます。
また、古い契約書ほど曖昧な条項が多いため、専門家とともに現行法に即した形へ更新することも有効です。
まとめ
底地トラブルは、早期対応と記録管理が何よりも重要です。
感情ではなく「契約」と「証拠」に基づいて冷静に対応することで無用な争いを防ぎ、長期的な信頼関係を維持できます。
予防の姿勢を持つことこそ、底地オーナーに求められる最初の一歩といえるでしょう。
