遺言書で承継者を指定するメリット

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相続財産に底地が含まれている場合、遺産分割協議が難航するケースが少なくありません。底地は、現金や預金のように簡単に分割することが難しく、相続人全員が納得できる解決策を見つけるのが困難なためです。こうしたトラブルを未然に防ぐため、遺言書を作成し、底地の承継者を明確に指定しておくことは非常に有効です。

遺言書で指定する3つのメリット

  1. 遺産分割協議が不要になる
    遺言書に記載された内容は法的に優先されるため、相続人が改めて誰が底地を相続するかを話し合う必要がなくなります。これにより、相続手続きをスムーズに進めることができ、無用な時間と労力を省くことができます。相続開始後、底地の所有者が誰であるか明確になるため、借地権者とのやり取りも滞りなく行えます。
  2. 円満な相続を促せる
    遺言書によって、相続人が納得しやすい形で財産を分けられるため、将来の親族間の対立を避けることができます。特に、底地のように管理が複雑な資産の場合、その管理能力がある特定の相続人に引き継がせたいと考えるのが自然です。遺言書でその意思を明確にしておくことで、他の相続人も納得しやすくなります。
  3. 底地の管理能力がある人に引き継げる
    底地は、地代の管理や借地権者との関係維持など、専門的な知識が必要な場合があります。遺言書で、その管理能力がある人に確実に引き継がせることができます。例えば、遠方に住む相続人ではなく、近くに住んでいて管理に積極的な子に底地を任せることができれば、所有者も借地権者も安心です。

遺言書の作成方法

遺言書には、主に自筆証書遺言公正証書遺言の2種類があります。

  1. 自筆証書遺言
    自分で全文を自筆で書く方法です。手軽ですが、形式不備で無効になったり、偽造されたりするリスクがあります。法務局に保管を依頼すれば、紛失のリスクは防げます。
  2. 公正証書遺言
    公証役場で公証人に作成してもらう方法です。手間や費用はかかりますが、公証人が作成するため法的に有効性が高く、内容が明確であるため、最もお勧めできる方法です。

まとめ

遺言書を作成する際は、専門家である弁護士や司法書士に相談し、正確な内容で作成することが重要です。